『HIP POP Princess』第8話、ご覧になりましたか?
今回は審査結果や脱落といったドラマティックな展開もさることながら、「音楽的なクオリティ」と「ステージ演出の進化」が凄まじかった回でもありました。
特に、m-floのVERBALさんがプロデュースした楽曲は、これまでの課題曲とは一線を画す「プロ仕様」の難易度でしたよね。
この記事では、第8話のパフォーマンスを「技術」「演出」「楽曲構造」の視点から徹底解剖します。
感情や順位の話は一旦抜きにして、「なぜあの瞬間、彼女たちが輝いて見えたのか?」をテクニカルな面から紐解いていきましょう!
VERBAL楽曲の構造が”第8話の空気”を作った理由
今回のステージの鍵を握っていたのは、間違いなくVERBALさんが持ち込んだ楽曲のパワーです。
単に「ノリが良い」だけではない、計算し尽くされた楽曲構造が、参加者たちの新たな技術を引き出していました。
HIPHOP×POP の境界に立つビートデザイン
今回の楽曲の特徴は、重厚なベースラインが響くHIPHOPのビートに、キャッチーで煌びやかなPOPのメロディが乗る「ハイブリッドな構成」にありました。
技術的に見ると、このビートは「縦のリズム(ドラムのキック)」を強く感じさせる作りになっており、ダンスのステップが非常に映える構造なんですよね。
一方で、上モノ(シンセサイザーなどのメロディ楽器)はキラキラとしたPOPな音色が使われており、これが「カッコよさ」と「アイドルらしい可愛さ」の両立を可能にしていました。
この絶妙なバランスこそが、第8話のステージ全体のトーンを決定づけていたと言えるでしょう。
難易度を上げるラップ配置とメロの跳躍
聴いている分には気持ち良いのですが、歌う側にとってはかなりの高難易度曲でした。
特にラップパートは、BPM(テンポ)に対して言葉数が多く詰め込まれており、リズムに対する正確なアタック感が求められます。
少しでも遅れると、全体がモタついて聞こえてしまうシビアな構成です。
さらにボーカルラインでは、低い音域からサビで一気に高音へ飛ぶ「音程の跳躍」が頻繁に登場しました。
これを踊りながら安定させるには、相当な体幹とブレスコントロールが必要です。
この”技術的な壁”の高さが、参加者の基礎スキルを露わにしました。
チーム編成との相性——誰が最も恩恵を受けたのか
この楽曲構造と相性が良かったのは、やはり「リズム感(グルーヴ)」を体で表現できるタイプの参加者です。
声量で押し切るパワータイプよりも、ビートの隙間を縫うような軽やかなフロウを持ったメンバーや、細かい音ハメが得意なダンサータイプのメンバーが、このトラックの上では水を得た魚のように活き活きとして見えました。
楽曲が持つ「スピード感」に乗れたかどうかが、技術的な見栄えの良さに直結していた印象です。
参加者ごとの”技術値”を分解してみた
楽曲の難易度が高かった分、個々のスキルセットの違いも明確になりました。
第8話で特に際立っていた「3つの技術ポイント」を分解してみましょう。
表情管理・視線コントロール
カメラに抜かれた瞬間の「表情」は、もはや技術の一つです。
今回、特に優れていたのは「視線の残し方」でした。
激しいターンをした直後でも、目線だけはカメラ(視聴者)を捉え続けている。
あるいは、瞬きのタイミングすら曲のビートに合わせているような緻密なコントロールが見られました。
歌詞の世界観に合わせて、一瞬で「強気な目」から「儚げな目」へとスイッチする技術は、プロ顔負けのレベルに達している参加者もいましたね。
歌唱の安定度とラップのリズム解像度
激しいダンスナンバーにおいて、ボーカル技術の差が出るのは「語尾の処理」です。
息が上がっても語尾を乱さず、丁寧にピッチ(音程)を当てていたメンバーは、聴き手に安心感を与えていました。
また、ラップにおいては「リズムの解像度」がポイントでした。
単に早口言葉を言うのではなく、言葉のアクセント(強弱)を明確につけることで、歌詞がビートの一部として機能し、聴き心地の良いグルーヴを生み出していました。
この「言葉を楽器として扱う技術」の差が、プロデューサー陣の耳を惹きつけた要因でしょう。
ダンスのキレと「音の掴み方」の個性
ダンスにおいては、「音をどう掴むか」に個性が表れていました。
ドラムの「ドン!」という重い音に合わせて身体を止める(ストップ＆ゴー)技術が高いメンバーは、動きにメリハリがあり、ステージ全体を引き締めていました。
一方で、メロディの流れるようなラインに合わせて身体をしなやかに使うメンバーは、楽曲に華やかさを加えていました。
同じ振り付けでも、拾う音の違いによって全く別の表現に見えるのが、今回のステージの面白いところでした。
カメラワーク＆演出が示した”推され方の傾向”
第8話では、カメラワークや照明演出も非常に洗練されていました。
これらはランダムではなく、演出サイドが「どこを見せたいか」という意図を持って構成されています。
抜かれた瞬間の共通項
カメラが寄る(アップになる)瞬間を分析すると、共通点が見えてきます。
それは「動きのアクセント」が明確な瞬間です。
腕を振り下ろすタイミングや、首を動かすタイミングなど、動作の「点」がハッキリしているメンバーは、カメラマンにとってもスイッチング(画面切り替え)がしやすく、結果としてアップの回数が増える傾向にあります。
「カメラに愛される」というのは運ではなく、カメラが追いやすい動きをしているという「技術」の結果でもあるんですよね。
演出効果で強調された参加者の成長線
照明の使い方にも注目です。
Aメロでは暗めの照明でシルエットを強調し、サビで一気に明るく照らす。
このコントラストによって、参加者のパフォーマンスの爆発力が視覚的に増幅されていました。
また、特定のメンバーがセンターに来た瞬間に背景のLEDモニターの映像が切り替わるなど、個人のキャラクターに合わせた演出サポートが入ることで、パフォーマンスの説得力が何倍にも膨れ上がっていました。
チームごとの演出差が結果予想に与える影響
チームごとの演出テーマの違いも興味深いポイントでした。
「クール＆スタイリッシュ」を強調するために寒色系のライトを多用したチームもあれば、「パッション＆エネルギー」を見せるために赤やオレンジの暖色系で攻めたチームもありました。
この演出プランが、参加者たちの本来持っている雰囲気とマッチしていたかどうかが、ステージの完成度(ユニゾン感)に大きく影響していたのではないでしょうか。
第8話の技術ポイントが”今後のバトル”でどう作用する？
今回のVERBAL楽曲での経験は、今後のミッションにどう活きてくるのでしょうか？
技術的な観点から未来を予測してみます。
今回伸びた参加者が次に強みを発揮する局面
今回、リズム感や表情管理といった「基礎表現力」が高かったメンバーは、今後どんなジャンルの曲が来ても対応できる強みを手に入れました。
特に「速いビートに対応できた」という事実は、今後のダンスバトルやラップバトルにおいて大きなアドバンテージになります。
技術的な引き出しが増えたことで、より自由な表現が可能になるはずです。
課題が重くのしかかる可能性のあるポイント
一方で、今回の楽曲で「体力不足によるピッチの揺れ」や「リズムの取りこぼし」が見えたメンバーは、次回以降さらに厳しい戦いになるかもしれません。
ミッションが進むにつれて求められるクオリティは上がっていきます。
基礎体力やリズムトレーニングといった地道な技術向上が、これからの生存ラインを分ける重要なファクターになりそうです。
VERBAL曲で見えた今後の順位ライン
技術的な安定感は、そのまま順位の安定感に直結します。
第8話で見せた「ミスをしない技術」「カメラを捉える技術」は、視聴者投票においても「安心して見ていられる」という信頼感に繋がります。
一発逆転の派手なパフォーマンスも魅力的ですが、今回のような高難易度曲をスマートにこなせる技術力こそが、最終デビューメンバーに残るための必須条件になっていくでしょう。
まとめ：第8話は”技術で語る回”だった
第8話を振り返ると、感情的なドラマの裏で、参加者たちのスキルが飛躍的に向上していることが分かる回でした。
- VERBALプロデュース楽曲の難易度が、潜在能力を引き出した
- 「音を聴く力」と「表情を作る力」がパフォーマンスの質を決めた
- カメラワークを味方につけるのも、一つの重要な技術である
結果や順位に一喜一憂するのも醍醐味ですが、こうして「技術」というフィルターを通してステージを見直すと、また違った面白さが見えてきませんか？
次回以降も、彼女たちがどんなテクニックで私たちを魅了してくれるのか、その進化に注目していきましょう！
▼ 第8話をもっと深く知りたい方はこちら
■ 引用・参考・出典一覧
【番組情報・配信プラットフォーム】
- 番組名：『Unpretty Rapstar : HIP POP Princess』（ヒポプリ）
- 配信：U-NEXT（ユーネクスト）公式サイト
- 制作・著作：HIP POP Princess製作委員会
【公式SNS・関連リンク】
- 番組公式X（旧Twitter）：@HIPPOP_Princess
- 番組公式Instagram：@hippop_princess_official
- 番組公式サイト：HIP POP Princess 公式ページ
- ゲスト情報：m-flo Official Website / VERBAL Official Instagram
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Unpretty Rapstar：HIP POP PrincessはU-NEXT独占配信です！
