【ヒポプリ第9話(Ep.9)考察】評価が動いた夜|イ・ジュウン覚醒と数々の群像劇

【ヒポプリ第9話(Ep.9)考察】評価が動いた夜|イ・ジュウン覚醒と数々の群像劇

ファイナリスト16名が決定した『Unpretty Rapstar:HIP POP Princess』第9話。

結果だけを見れば「順位が決まった回」ですが、画面の前で息を呑んでいた私たちは知っています。

この回が単なる順位発表以上の、とてつもなく重厚なドラマの連続だったことを。

60秒という短い時間に込められた覚悟、過去との決別、そして実力と人気の狭間で揺れる葛藤。

今回は、点数や順位の羅列だけでは語りきれない「評価の意味」と「参加者たちの群像劇」について、じっくりと紐解いていきたいと思います。

結果を知った上で、もう一度あの夜の余韻に浸ってみませんか?

目次

第9話は”全員に物語があった”群像回だった

第9話を見終えて最初に感じたのは、「誰か一人が主役の回ではなかった」という不思議な満足感でした。

通常、オーディション番組の終盤ともなれば、デビュー確実な特定のメンバーにスポットライトが当たりがちです。

しかし今回の「60秒ショーダウン」は違いました。

たった1分のパフォーマンス。

その制約が、かえって一人ひとりの人間性を色濃く浮き彫りにしていたように感じます。

圧倒的な実力でねじ伏せたキム・ドイさん、日本代表としての矜持を見せたニコさん、そして崖っぷちからの生還をかけたメンバーたち。

画面に映る全員が、それぞれの場所で、それぞれの「壁」と戦っていました。

点数が伸び悩み涙を飲んだ参加者でさえ、その散り際が美しく、番組全体がひとつの大きな「群像劇」として完成されていた。

第9話は、順位をつけるための審査というよりも、これまで彼女たちが積み上げてきた物語の「中間決算」のような回だったのではないでしょうか。

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イ・ジュウンはなぜ”評価の意味”を回収できたのか

この「群像劇」の中で、最も鮮烈なカタルシス(感情の浄化)を視聴者に与えたのは、間違いなくイ・ジュウンさんでした。

彼女のステージがなぜあれほどまでに評価され、ソヨンPDから満点(100点)という異例の数字を引き出したのか。

それは単に「ダンスが上手かった」「ラップが安定していた」からではありません。

彼女が「自分につきまとっていた呪縛」を、自らの手で解き放つ瞬間を目撃させたからです。

「記憶に残らない子」からの脱却

先行公開映像でも語られていたように、イ・ジュウンさんは過去、別のオーディション番組(放課後のときめき等)でソヨンPDから厳しい言葉を投げかけられていました。

「キャラクターがない」「正直、記憶に残らない」

アイドルを目指す者にとって、これほど残酷な評価はありません。

どれだけ技術があっても「無色」であることは、デビューできない理由になり得るからです。

彼女自身、「今回こそは認められたかった」と語り、その言葉の裏には、過去の自分への強烈なコンプレックスと焦りがあったはずです。

マイケル・ジャクソンへのオマージュが意味したもの

そんな彼女が選んだのが、マイケル・ジャクソンへのオマージュを取り入れたステージでした。

象徴的だったのは、パフォーマンス中に身につけていたアイテムを脱ぎ捨てる演出です。

あれは単なる衣装チェンジではなく、「キャラクターがないと言われた過去の自分」「無難にこなそうとする自分」を脱ぎ捨てる儀式そのものでした。

ソヨンPDが出した「100点」は、技術点であると同時に、「ついに殻を破った」というドラマに対する評価だったのではないでしょうか。

オーディション番組において、参加者が自らの手で伏線を回収し、審査員の評価基準さえも物語の一部に変えてしまう。

そんな奇跡的な瞬間が、あの60秒には詰まっていました。

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キム・ドイの1位は”念願”だったが、完全勝利ではなかった

一方で、プロデューサー評価で堂々の1位(392点)を獲得したキム・ドイさんの結果も、非常に示唆に富んでいました。

Gaeko、ソヨン、RIEHATA、GAN。

日韓のトッププロデューサー全員が高得点をつけ、「完成形」とまで言わしめた彼女の実力は、疑いようもなくトップクラスです。

しかし、ファンの熱量が反映される「グローバル投票」を加味した最終的な総合順位では、彼女は2位という結果になりました(※A記事参照:投票1位はナム・ユジュ等の別メンバー)。

「実力」と「人気」の狭間で

これはキム・ドイさんが劣っていたわけでは決してありません。

むしろ、「プロが認める完璧な実力」と「大衆が熱狂する物語」は、必ずしもイコールではないというオーディション番組のリアリズムが浮き彫りになった形です。

イ・ジュウンさんやナム・ユジュさんのように、感情を揺さぶる「物語」を持つメンバーに、投票という形での支持が集まりやすいのは世の常です。

プロデューサー評価1位という称号は、キム・ドイさんにとって念願の証明でした。

しかし、総合1位を逃したという事実は、「デビューに向けて、まだ手に入れるべきピースがある」という新たな課題を突きつけられたようにも見えます。

彼女の戦いは、実力の証明フェーズを終え、「いかに愛されるか」「いかに物語を紡ぐか」という次のステージへ移行したのかもしれません。

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評価が固定されなかったからこそ、ファイナルは読めなくなった

第9話を見終えて感じるのは、「絶対的な安全圏など存在しない」という心地よい不安です。

これまで上位常連だったメンバーが盤石に見える一方で、中位圏のメンバーが爆発的なパフォーマンスで一気に順位をひっくり返す。

逆に、これまで安定した評価を得ていたユン・ソヨンさんがボーダーライン付近での戦いを強いられるなど、「これまでの貯金」が通用しないシビアな現実も垣間見えました。

評価は固定されていません。

プロデューサー点数でトップに立った者が、必ずしも最終的な勝者になるとは限らない。

逆に、一度の覚醒で全てを覆すことができる。

第9話で起きた数々のドラマは、来たるファイナルが「誰がデビューしてもおかしくない大混戦」になることを予告しています。

順位表という「数字」の裏側で、彼女たちの評価軸そのものが大きく揺れ動いた一夜。

この波動は、ファイナルのステージまで続いていくはずです。

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まとめ

第9話は、イ・ジュウンさんの覚醒に代表されるように、参加者それぞれが自らの殻を破ろうともがく「群像劇」の回でした。

結果としての順位はもちろん重要ですが、それ以上に「なぜその評価になったのか」という文脈を知ることで、ファイナルへの没入感は何倍にもなるはずです。

さて、この激動の裏で、惜しくも脱落してしまったメンバーや、意外な苦戦を強いられた実力者たちの物語も見逃せません。

光が強ければ影も濃くなるのがオーディションの常。

次回は、そんな「明暗を分けた境界線」について、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。

ファイナルまで、あと少し。

彼女たちの物語を最後まで見届けましょう。

出典・参考リンク

第9話についてはこちらも御覧ください!

Unpretty Rapstar:HIP POP PrincessはU-NEXT独占配信です!

ヒポプリメンバーについてはコチラ!
HIP POP Princessについてはこちら!
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